モルワイデ図法(読み)モルワイデズホウ(その他表記)Mollweide's projection

デジタル大辞泉 「モルワイデ図法」の意味・読み・例文・類語

モルワイデ‐ずほう〔‐ヅハフ〕【モルワイデ図法】

地図投影法の一。1805年にドイツ天文学者・数学者モルワイデ(K.B.Mollweide)が考案した正積図法楕円形長軸赤道とし、短軸の2倍にして描くもの。中央経線直線であるが、他の経線は楕円曲線となる。緯線は赤道に平行な直線で、間隔高緯度ほど狭くなる。世界全図に用いられるが、図は辺縁に行くにつれてひずみが大きい。

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精選版 日本国語大辞典 「モルワイデ図法」の意味・読み・例文・類語

モルワイデ‐ずほう‥ヅハフ【モルワイデ図法】

  1. 〘 名詞 〙 ( モルワイデは Mollweide 考案者のドイツの天文学者の名 ) 地図投影法の一つ。中央経線と緯線はすべて直線、他の経線は円弧または楕円曲線で、赤道を極軸の二倍にして描く図法。ひずみは周辺で大きく、所々に切れ込みを入れて、世界全図に用いる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「モルワイデ図法」の意味・わかりやすい解説

モルワイデ図法
もるわいでずほう
Mollweide's projection

地図投影の一種。正積図法の擬円筒図法。世界全図に用いる。楕円(だえん)図法の一種で、地球全体を長軸と短軸の比が2:1の楕円形とし、半球を円形、長軸を赤道、短軸を中央経線、緯線は赤道に平行な直線、中央経線以外の経線は楕円弧で表す。図の中央の中緯度部分では投影のひずみがない。緯線を等間隔で平行直線にした楕円図法を、19世紀初めにドイツのシュミットGeorg Gottlieb Schmidt(1768―1837)が考案したが、それを1805年にドイツのモルワイデKarl Brandon Mollweide(1774―1825)が正積になるように緯線間隔を改良した。

 1857年ごろフランスでバビネJacques Babinet(1794―1872)がホマログラフ図法(ホマロはギリシア語で「平らな」)、またはホモログラフ図法(ホモロはギリシア語で「調和」)の名称で紹介した。ドイツのベルグハウス自然地図帳の主題図に用いられ、19世紀の新しい擬円筒図法として有名になった。投影軸が地軸と斜めに交わる斜軸で大西洋の中央で北緯45度の地点を中央に置いたアトランティス図法が、1948年のバーソロミュー地図帳の地域図に使われた。また別の斜軸のものが1977年の日本国勢地図帳に使われた。

[金澤 敬]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モルワイデ図法」の意味・わかりやすい解説

モルワイデ図法
モルワイデずほう
Mollweide's projection

正積擬円筒図法の一種で,楕円図法,バビネ図法 Babinest's projection,ホモログラフ図法 homolographic projectionともいう。 1805年ドイツの天文学者 K.モルワイデが発表した。図形の長軸と短軸の比が2:1の楕円の中に世界全体を表わす。赤道と中央経線は直交する直線で,その他の経線は楕円であるが,中央経線の中心から経度差 90度のものは短軸を半径とした円で表わされる (つまり半球を円に収める) 。緯線は赤道に平行な直線で,その間隔は対応する緯度帯の表面積と正積になるように算出されたもので,極に近づくに従い狭くなっている。中央経線上,中緯度のところは地図のひずみがない。赤道上やその他の場所のひずみはあるが,周辺高緯度部分のひずみはサンソン図法より緩和されている。任意の経線上で北緯 45°の点を極とする斜軸のモルワイデ図法をアトランティス図法 Atlantis projectionという。 1951年に考案され,55年以降のバーソロミュー地図帳に多く用いられている。

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百科事典マイペディア 「モルワイデ図法」の意味・わかりやすい解説

モルワイデ図法【モルワイデずほう】

楕円図法とも。地図投影法の一つ。横(長径)が縦(短径b)の2倍の長さの楕円の中に世界をおさめる。緯線は赤道に平行な直線で,緯度Φの緯線と赤道の距離はb sin α(ただし2α+sin 2α=π sin Φ)で与えられる。経線は楕円曲線となる。正積図法の一つ。1805年にドイツのモルワイデK.Mollweideが考案。→断裂モルワイデ図法

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世界大百科事典(旧版)内のモルワイデ図法の言及

【地図】より

… 正積図法の地図は,国や大陸などの面積を比較するのに都合がよく,分布図や密度図などを作成する場合の基図となる。このうち世界全図を描く場合によく用いられる図法は,サンソン図法,モルワイデ図法,ハンメル図法,エッケルト第4図法,同第6図法などである(図2)。地球の一部(大陸や日本とその周辺など)を表示する場合には,ランベルト正積円錐図法,同正積方位図法,ボンヌ図法などがよく用いられる。…

※「モルワイデ図法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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