新井薬師(読み)アライヤクシ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「新井薬師」の意味・わかりやすい解説

新井薬師
あらいやくし

東京都中野区新井にある真言宗豊山(ぶざん)派の寺。薬師如来(にょらい)を本尊とするため、通称「新井薬師」といわれるが、正しくは新井山(または松高山)梅照院(ばいしょういん)薬王寺といい、大和(やまと)(奈良県)の長谷寺(はせでら)を総本山とする。寺伝によると、本尊は、もと新田(にった)家の守護仏であったが、新田氏の衰亡の前後に、不思議の縁によって、当山境内の梅樹にかかり、以後当寺の本尊となったという。開基は、もと北条家の臣である梅原将監(うめはらしょうげん)(出家して行春)で、1568年(永禄11)この地に草庵(そうあん)を結び、真言秘密の道場としたのによる。江戸中期以降は徳川家の庇護(ひご)を受け、子育て、眼病平癒の薬師として参詣(さんけい)者が多く、江戸の名刹(めいさつ)となった。毎月8の日が縁日

[金岡秀友]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

苦肉の策

敵を欺くために、自分の身や味方を苦しめてまで行うはかりごと。また、苦しまぎれに考え出した手立て。苦肉の謀はかりごと。「苦肉の策を講じる」...

苦肉の策の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android