新多数・カンビオ90(読み)しんたすう・カンビオきゅうじゅう(英語表記)Cambio 90-Nueva Mayoria

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「新多数・カンビオ90」の意味・わかりやすい解説

新多数・カンビオ90
しんたすう・カンビオきゅうじゅう
Cambio 90-Nueva Mayoria

ペルーの政党連合。 1989年アルベルト・フジモリ大統領候補の支持政党として無党派層を中心に結成された「カンビオ 90」と,フジモリ大統領を支持する独立系議員や財界人,学者などから構成される「新多数」が連合して 92年に設立された。 90年4月の大統領選挙では民主戦線のマリオ・バルガス・ジョサ候補とフジモリ候補が1,2位となったがいずれも過半数に達せず,同年6月の決選投票で 56.5%を獲得したフジモリが勝利したが,「カンビオ 90」は同時に行われた国会選挙で上院 14議席下院 32議席の第3党にとどまった。フジモリ政権は財政再建,インフレ抑制,国営企業の民営化など急激な経済改革を実施するが,国会の多数派を握る野党側と激しく対立,92年4月には非常事態措置を発令し憲法の一時停止と議会の解散を行い,「緊急国家再建政府」を発足させた。同年 11月に行われた制憲議会選挙に際して,「新多数」と連合を組み,「新多数・カンビオ 90」を組織,過半数の 44議席を獲得して第1党に躍進した。フジモリは 95年4月の大統領選挙でも「ペルー団結運動」のペレス・デクエヤル元国連事務総長に大差をつけて当選。同月の国会選挙でも与党連合が合せて 67議席を獲得し勢力を伸ばした。

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