日本大百科全書(ニッポニカ) 「新赤色砂岩層」の意味・わかりやすい解説
新赤色砂岩層
しんせきしょくさがんそう
the New Red Sandstone
イングランド北西部に分布する代表的なペルム‐三畳系で、主として赤色の砂岩、礫(れき)岩、頁(けつ)岩からなる厚い陸成層。下位の石炭系上に顕著な傾斜不整合でのり、ジュラ系に覆われる。デボン系の赤色岩層が旧赤色砂岩層the Old Red Sandstoneとよばれるのに対して、ペルム‐三畳系のものが新赤色砂岩層とよばれている。石炭紀‐ペルム紀(二畳紀)のバリスカン造山運動によって生じた陸地で形成されたもので、乾燥気候下で堆積(たいせき)したと考えられる。
同様の赤色岩層はドイツやフランスにおいてもみられ、ブントザントシュタインBuntsandstein層などとよばれている。Buntsandsteinはドイツ語で「色鮮やかな赤い色の砂岩」の意味だが、地学分野では、固有名詞化した専門用語「赤色砂岩層」のことをさし、イングランド北西部の新赤色砂岩層と同じ時代のものである。
[村田明広]