デジタル大辞泉
「系」の意味・読み・例文・類語
けい【系】
1 ある関係をもって、一つのつながりやまとまりをなすもの。系統。「一つの系を形成する」
2 名詞に付いて、一つのまとまりのある関係にあることを表す語。「理科系に進む」「外資系の企業」「太陽系」「銀河系」「MKS単位系」
3 《鉄道会社によっては「型」または「形」を使う》一つの設計で量産された鉄道車両であることを示す記号。「新幹線N700系」のように表示する。
4 数学で、一つの定理から容易に導かれる命題。
5 地質年代に基づく地層区分。地質年代区分の「紀」に対応し、地層区分「界」の下位区分。例えば、中生代の地層は中世界、後期白亜紀の地層は上部白亜系と区分される。
6 生物学で、ある機能に関する器官であることを表す語。「泌尿器系の病気」
[補説]俗語では2を発展させて、「ギャル系の話し方」「ビジュアル系バンド」「いかにも体育会系の若者」「癒し系」などと用いる。
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けい【系】
〘名〙
① ある関係をもって、つながりをなすもの。系統。ちすじ。体系。特に、
理化学では、一定の相互作用または相互連関を持つ
物体の
集合体をいう。〔
哲学字彙(1881)〕
※科学者と芸術家(1916)〈
寺田寅彦〉「箇々別々の事実を一つに系に纏める様な仕事には」 〔左思‐魏都賦〕
② 数学で、一つの定理からすぐに導かれる利用価値の高い命題の、
もとの定理に対する称。〔数学ニ用ヰル辞ノ英和対訳字書(1889)〕
③ 地層区分の単位の一つ。
地質時代の区分の単位「紀」に対応する地層群をさす。たとえば
石炭系と呼ばれる地層群の堆積した時を
石炭紀と呼ぶなど。
つ・る【系】
〘他ラ四〙 (「釣る」と同語源か) 系統、系図をつらねる。つなぐ。→
つり(系)。
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系 (けい)
corollary
数学や論理学において,一つの定理から容易に導かれる他の定理を,もとの定理の系という。例えば,〈二等辺三角形の2底角は等しい〉という定理を知れば,〈正三角形の3頂角は互いに等しい〉は容易に導かれるので,後者は前者の系である。
また,三角形の内角の和は2直角であることを知ったあとで上の定理を知れば,正三角形の頂角は60°であることがすぐわかる。このように,既知の別の定理を考慮に入れた場合にも系といってもよい。なお,システムsystemという英語の訳語として系という語が用いられることも多い。
執筆者:永田 雅宜
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
系
けい
system
地質時代における地層や岩石の区分単位の一つで、界より一段小さいもの。地質時代の紀に形成された地層や岩石をさし、三畳紀、ジュラ紀、白亜紀、新第三紀のものは、それぞれ三畳系、ジュラ系、白亜系、新第三系というように用いられる。系はいくつかの統を寄せ合わせたもので、たとえば新第三系は中新統、鮮新統の二つからなる。
[村田明広]
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系
ケイ
system
自然を理解するために自然界を一部切りとったときの関係する一連の事柄,研究対象,物質の集合体など.単位系,力学系,光学系,熱力学系,開放系,孤立系,化学系,反応系,結晶系,均一系,不均一系など,それぞれの分野で多様に使われている.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
系
すべての物質で,その周囲の外界部分から完全に区別して隔離できる部分,様々な条件の下で,変化がその範囲中で起こると考えられるものをいう.この語は二成分系や三成分系のように成分の集まったもので,相の観点から温度,圧力,組成などの変化について研究されている[Levin, et al. : 1950].三成分系以上の成分系を平面に表すために様々な方法が考えられているが,実際には困難である.
出典 朝倉書店岩石学辞典について 情報
系【けい】
地質系統の区分の一つ。界を細分したもの。地質年代の紀に相当する。たとえば白亜系。
→関連項目紀
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系
「族」ほど排他的ではない、ゆるやかな関係性を示すことば。渋谷系、ビジュアル系など。
出典 (株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について 情報
世界大百科事典(旧版)内の系の言及
【定理】より
…数学において,正しいことが証明できた事柄を定理という。理論構成において,多くの定理を得るわけであるが,その理論における位置づけによって,補助定理,系などの名称も用いる。すなわち,その理論構成において重要と考えるものをとくに定理と命名し,ある定理を導く段階で,証明などのため必要な定理を補助定理,または補題と呼ぶ。…
※「系」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」