旗薄(読み)ハタススキ

デジタル大辞泉 「旗薄」の意味・読み・例文・類語

はた‐すすき【旗薄】

[名]旗のように穂が風になびいている薄。
「み雪降る安騎あき大野に―小竹しのを押しなべ」〈・四五〉
[枕]薄の穂の意で、「穂」と同音をもつ「ほふる」などにかかる。
大魚のきだ(=エラ)衝き別けて、―ほふり別けて」〈出雲国風土記

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精選版 日本国語大辞典 「旗薄」の意味・読み・例文・類語

はた‐すすき【旗薄】

[1] 〘名〙 長く伸びた穂が風に吹かれて旗のようになびいている薄(すすき)。《季・秋》
万葉(8C後)一・四五「玉かぎる 夕さり来れば み雪ふる 阿騎の大野に 旗須為寸(はたスすき) しのをおしなべ」
[2] 旗のように風になびく薄の穂の意で、「穂」と同音の「ほ」を含む「秀(ほ)に出づ」や「屠(ほふ)る」にかかる。
出雲風土記(733)意宇「波多須々支(ハタススキ)穂振り別けて、三身の綱うち挂けて」
[語誌](1)「万葉集」には、ハタススキ・ハダススキの両形がある。ハダススキには別項の(二)①のように「穂に出づ」にかかる例が目立つところから、一説に穂が出る前の皮を被ったススキのことといわれる。
(2)平安時代になると、「古今集」以後、ハダススキから転じたハナススキ(花薄)が、穂の出たススキの意で広く用いられる。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「旗薄」の解説

旗薄 (ハタススキ)

植物イネ科の多年草,園芸植物。ススキの別称

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