翻訳|louver
(1)木の板や金属板,ガラスなどを何段も傾斜させて並べ,その隙間から換気できるようにしたもの。窓や軒先に設けて,外気をとり入れ,日光や雨水を防ぐために用いる。鎧(よろい)戸も一種のルーバーである。近代建築においても盛んに用いられ,垂直方向に板を並べたもの,板の角度を調節できるものなどが考案され,一般の開口部にも応用されている。(2)西欧の中世建築で,広間の吹抜けの屋根に設けられる換気用の屋根窓。一般に小塔のような形で屋根の上に作られ,斜めに隙間をあけて板を張り,雨水が入るのを防いだ。中世建築の広間(ホール)は,天井高が高く,内部で暖炉の火をたいたり料理の煙を出したりしたので,こうした換気のための装置が不可欠であった。
執筆者:鈴木 博之
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… ブラインドに要求される性能は,直射光や外部視線を遮断しながら,通風や間接光,内側からのある程度の視野の確保を可能にし,しかも不要時には容易に撤去・移動しうることなどであるが,西欧ではこれに見合う考案はあまりなされず,ほとんどは東方起源であった。鎧戸の先駆的な形が初めて西欧に現れたのは十字軍以後の教会堂鐘楼で,角度をもたせた巨大なルーバー(羽根板)を鐘架の開口にとりつけ,これによって風よけと音響の拡散をはかったとみられるが,おそらくこれはイスラムの軍事施設などにみられた同様な装置を取り入れたものであろう。やがて鐘楼のルーバーを小型化したものが他の建物の越屋根や屋根窓の通気装置に用いられ,さらにこれが窓の外側にとりつける鎧戸となった。…
※「ルーバー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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