日南(町)(読み)にちなん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日南(町)」の意味・わかりやすい解説

日南(町)
にちなん

鳥取県南西端、日野(ひの)郡にある町。1959年(昭和34)伯南(はくなん)町と高宮(たかみや)、多里(たり)、福栄(ふくさかえ)、石見(いわみ)の4村が合併して成立。JR伯備(はくび)線、国道180号、183号、江府三次道路が通じる。日野川の谷底平野と高原面からなり、高原面では縄文・弥生(やよい)期遺物が出土し、古来たたら製鉄の中心地であった。現在は農業が中心で、米作、トマト、ダイコン、ネギ栽培、和牛飼育などが行われる。南西部の船通山(せんつうざん)、道後山(どうごやま)は比婆(ひば)道後帝釈(たいしゃく)国定公園の一部。船通山は『古事記』の八岐大蛇(やまたのおろち)神話の伝承地で、山頂には天叢雲剣(あめのむらくものつるぎ)出顕之地の碑や神木イチイ(国指定天然記念物)がある。下阿毘縁(しもあびれ)神社の大シダレザクラ、解脱寺(げだつじ)のモミ並木、上石見(かみいわみ)のオハツキタイコイチョウ、楽楽福(ささふく)神社社叢(しゃそう)などが知られ、石霞渓(せっかけい)や菅沢(すげさわ)ダムの勝地に富む。面積340.96平方キロメートル、人口4196(2020)。

[岩永 實]

『『日南町史』全3巻(1984・日南町)』


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