朝日日本歴史人物事典 「日寛」の解説
日寛
生年:寛文5(1665)
江戸時代の日蓮宗の学僧。堅樹院と呼ばれた。江戸下谷常在寺の日永に従って得度。上総(千葉県)の細草檀林(学問所)に学び,のち駿河(静岡県)の大石寺26世となる。『観心本尊抄聞書』『六巻抄』など多数の書を著して興門(日興門流)教学の大成に努めた。日蓮を末法の本仏と仰いで釈迦以上に尊重し,富士山に本門戒壇を建立すべきことを主張する。日寛の教学は以後大石寺・日蓮正宗教学の骨格をなした。なおその日蓮本仏論は大石寺を経て,現在の創価学会に継承されている。<参考文献>堀日亨編『富士宗学要集』
(佐藤弘夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報