日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本ベンチャー大賞」の意味・わかりやすい解説
日本ベンチャー大賞
にっぽんべんちゃーたいしょう
社会的に強い影響力のある新事業を創出した起業家やベンチャー企業を表彰する賞。主催は経済産業省の新規産業室を事務局とするベンチャー創造協議会。積極的に起業を志す人や新事業に挑戦する企業の重要性を広く社会に浸透させ、起業に対する気運を高めることを目的に2014年度(平成26)に始められた。毎年1回表彰する。自薦、他薦を問わず、応募のあった案件を対象に審査し、(1)事業ビジョン、(2)事業の新規性や革新性、(3)起業のチャレンジ性、(4)事業の拡張性の四つの項目について総合的に評価する。もっとも優秀な案件には日本ベンチャー大賞(内閣総理大臣賞)、前記4評価項目に加え、大企業との連携を勘案し、ベンチャー企業・大企業等連携賞(経済産業大臣賞)、審査委員会特別賞などを授与する。第1回は153件の応募があり、微細藻類ユーグレナ(ミドリムシ)を活用して機能性食品やバイオ燃料などの開発を行う株式会社ユーグレナが大賞を受賞した。
日本ベンチャー大賞の表彰制度は、「日本再興戦略」改訂2014において、いわゆるアベノミクス第三の矢の成長戦略として、社会全体でベンチャーを称揚するための表彰制度の創設が掲げられたことから実施された。経済界全体で受賞者を称(たた)えるという観点から、審査委員には日本経済団体連合会(経団連)や経済同友会、新経済連盟などから幅広いメンバーが参画している。
[編集部]