改訂新版 世界大百科事典 「日本山妙法寺」の意味・わかりやすい解説
日本山妙法寺 (にほんざんみょうほうじ)
日蓮系の宗派であり,これによって建立された諸寺共通の名称でもある。この派の指導者藤井日達(1885-1985)は,1917年弘通(ぐづう)を始め,18年中国の遼陽に最初の日本山妙法寺を開き,以後中国各地および日本国内にも諸寺を建立,いずれも日本山妙法寺と称した。日本では,24年静岡県田子ノ浦に開創したのが最初である。藤井はインド,セイロン(スリランカ)その他にも弘通し,インドのガンディーの影響を受けたといわれるが,むしろ広島,長崎の原爆被災を契機に非武装・不戦を主張するにいたり,原水爆禁止・軍事基地反対などの平和運動を展開した。藤井やこの一派の僧俗の発言や運動は,政党色のないこともあって重視された。同派の僧尼は南方仏教系の黄衣を着用しているのが特徴である。
執筆者:高木 豊
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