朝日日本歴史人物事典 「日経」の解説
日経
生年:永禄3(1560)
戦国・江戸初期の日蓮宗の僧。「にちきょう」ともよむ。常楽院と呼ばれた。日什門流をうけて京都妙満寺27世となる。学識と弁舌は有名で,諸国を巡り諸宗と論争を交えた。慶長13(1608)年,尾張(愛知県)での浄土宗門徒との対論は,徳川家康の命により江戸城で浄土宗と法論(慶長宗論)を行うまでに発展した。日経の 折伏主義を嫌う幕府は,その法論直前に彼を襲撃した。重傷の日経は,戸板に乗せられて登城したものの発言できないまま敗北とされ,翌年弟子5人と京都六条河原で耳鼻をそぎ落とされた。その後幕府の迫害の中,放浪の生涯を送る。<参考文献>宮崎英修『日蓮とその弟子』
(佐藤弘夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報