日金山(読み)ヒガネヤマ

デジタル大辞泉 「日金山」の意味・読み・例文・類語

ひがね‐やま【日金山】

十国峠じっこくとうげ異称

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精選版 日本国語大辞典 「日金山」の意味・読み・例文・類語

ひがね‐さん【日金山】

静岡県東部、熱海市函南(かんなみ)町との境にある山。十国峠十州峠

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日本歴史地名大系 「日金山」の解説

日金山
ひがねさん

熱海伊豆山いずさん田方たがた函南かんなみ桑原くわはらの境にある山。標高七七四メートル。山頂十国じつこく峠とよばれる。「伊豆国風土記」逸文(鎌倉実記)には応神五年に伊豆国に命じて船を造らせたが、「此の舟木は日金山の麓なる奥野の楠なり」とある。奥野おくのは現伊東市鎌田かまだの通称名奥野に比定される。「走湯山縁起」によると伊豆山権現(伊豆山神社)に祀られる神鏡は応神天皇の時代に相模国唐浜に出現し、次いで日金山に飛来し、松葉仙人が奉仕したのち、木生・金地二人の神仙により日金山に祀られた。推古天皇の時代に走湯権現と称したという。日金山はが峰の義で(増訂豆州志稿)、山の東側には一説には「延喜式」神名帳に載る田方郡火牟須比ホノムスヒノ命神社」に比定される伊豆山の雷電らいでん神社(現伊豆山神社境内社)、西側には函南町の雷電神社二社と火雷からい神社があり、雨や水の恵みを与える山として信仰されていた(静岡県史)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日金山」の意味・わかりやすい解説

日金山
ひがねさん

十国峠」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内の日金山の言及

【十国峠】より

…十州峠ともいい,眺望が相模,武蔵,下総,上総,安房,駿河,遠江,信濃(常陸とする場合もある),甲斐,伊豆の10ヵ国に及ぶとされ,眼前にせまる富士が美しい。古くは日金(ひがね)山といったが,これは火ヶ峰の転訛した名で,地形も峠と呼ばれるものの鞍部(あんぶ)ではない。かつて,火牟須比命(ほむすびのみこと)をまつる伊豆山神社の旧祀とみられる東光寺(日金地蔵堂)があった。…

【走湯山】より

…祭神は火牟須比(ほむすび)命とも伊邪那岐(いざなき)命,伊邪那美(いざなみ)命ともいわれ,《増訂豆州志稿》は《延喜式》にいう火牟須比命神社に比定している。同社はもと日金山(十国峠)に鎮座し(日金とは火之峯(ほがね),許々比乃森(ここひのもり)といい,火神を意味する),のち社を移して日金山を本宮,遷社地を中宮とし,再度移して現在の社を新宮と称し,このときから伊豆山権現,走湯権現と呼ぶようになったという。《松屋筆記》によると,単に伊豆の温泉神社と呼ばれたのも伊豆山神社であったようである。…

※「日金山」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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