日韓法的地位協定(読み)にっかんほうてきちいきょうてい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「日韓法的地位協定」の意味・わかりやすい解説

日韓法的地位協定
にっかんほうてきちいきょうてい

日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定」をいう。第二次世界大戦終了時の在日朝鮮人200余万人のうち、約130万以上の者が1946年(昭和21)3月末までに本国に帰還した。しかし、46年には朝鮮でのコレラの流行、洪水、鉄道ストライキと相次ぎ、さらに、50年には朝鮮戦争が勃発(ぼっぱつ)した。51年9月の対日平和条約調印後、同年10月20日に日韓国交正常化交渉の予備会談が開始され、第七次までの14年余の交渉のなかで、本国に引き揚げずに残留した在日朝鮮人約60万の国籍処遇は重要課題であった。65年6月22日に本協定(いわゆる法的地位協定)を含む諸取極(とりきめ)に調印され、翌年1月17日発効した。この協定で、戦前からの在日韓国人およびその直系卑属に、申請により永住権が付与され、教育・生活保護・国民健康保険の恩恵、持ち帰り財産や送金の考慮が規定された。なお、本協定によって永住を許可された者の直系卑属として日本で出生した者の日本における居住については、本協定発効後25年を経過するまでは協議することとされ(いわゆる91年問題)、91年1月10日、在日韓国人の法的地位および待遇に関して日韓覚書を結んだ。

[芹田健太郎]

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