国指定史跡ガイド 「旧堺燈台」の解説
きゅうさかいとうだい【旧堺燈台】
大阪府堺市堺区大浜北町にある灯台。1877年(明治10)、堺港に出入りする船舶の航行標識として、英人技師の建築指導のもと、高山保次郎らの私費によって築造された。現在、旧堺港の突端、大浜公園の北端、阪神高速道路の高架に隣接して所在し、日本最古の木造洋式灯台であることや日本の港湾史の一端を伝える場所として貴重なことから、1972年(昭和47)に国の史跡に指定された。建物は六角の錐形で、高さ11.3mの白色木造4階建て、灯火は緑色不動、灯器はフランス製である。堺臨海工業地帯の建設にともない港湾事情が一変し、1968年(昭和43)で廃灯となったが、現在も、堺港の一角に堺のシンボルの一つとして保存され、建設当時の姿をそのままに伝えている。南海電鉄南海本線堺駅から徒歩約15分。