旧有備館および庭園(読み)きゅうゆうびかんおよびていえん

国指定史跡ガイド 「旧有備館および庭園」の解説

きゅうゆうびかんおよびていえん【旧有備館および庭園】


宮城県大崎市岩出山にある近世の学校建築と大名庭園。旧有備館は、伊達氏の一門で岩出山1万5000石の領主伊達家の学問所跡。1663年(寛文3)、岩出山城の二の丸が焼けたときに仮御殿として建てたものを、3代目伊達敏親(としちか)が1691年(元禄4)に「春学館」と名づけて藩士子弟を教育する学問所とした。翌年、現在の場所に移築し、「有備館」と改称した。平屋建ての寄棟造りで屋根は茅葺き。明治維新後に一部が改修されたが当時の趣は残り、1933年(昭和8)に庭園とともに国の史跡および名勝に指定された。その後、1974年(昭和49)に修理が行われている。庭園は1715年(正徳5)、仙台の茶人・清水道竿(どうかん)が造った周囲約500mあまりの池泉回遊式庭園で、池の中に、兜島、鶴島、亀島茶室のある茶呑島などの小島が浮かび、東北地方では珍しい本格的な大名庭園である。JR陸羽東線有備館駅から徒歩すぐ。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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