早期警戒衛星(読み)ソウキケイカイエイセイ(その他表記)early-warning satellite

デジタル大辞泉 「早期警戒衛星」の意味・読み・例文・類語

そうきけいかい‐えいせい〔サウキケイカイヱイセイ〕【早期警戒衛星】

宇宙空間から弾道ミサイル発射を探知する偵察衛星赤外線センサーによって高温熱源排出ガスを捉え、その形状から一般の航空機と区別する。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「早期警戒衛星」の意味・わかりやすい解説

早期警戒衛星
そうきけいかいえいせい
early-warning satellite

赤外線探知装置やテレビジョン装置を衛星に装備して軌道上から相手国のロケット発射を監視し,これを報告する衛星。初期のミダス衛星は,中高度衛星で地表面に対して静止していないので,常時確実な監視が不可能であった。 1970年代にアメリカで実用化されたものは,赤道上の静止または準静止衛星で,インド洋上のものは,中国,旧ソ連の発射基地を,太平洋,大西洋上のものはSLBM (潜水艦発射弾道ミサイル) を監視しているとされる。湾岸戦争では,イラク軍の発射するスカッド・ミサイルを探知し,サウジアラビアイスラエルに配備されていたアメリカ軍のパトリオット・ミサイル部隊に情報を伝えた。

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世界大百科事典(旧版)内の早期警戒衛星の言及

【軍事衛星】より

…なお,高性能の資源探査衛星等は,限定的な偵察目的には十分使用可能と考えられる。
[警戒監視衛星]
 弾道ミサイル発射を早期に発見して警報を発する早期警戒衛星,核爆発で生じる放射線・閃光を探知して地下核実験を除く核実験を監視する核爆発探知衛星,広大な海洋上の艦船および潜水艦の動向を監視する海洋監視衛星に大別される。アメリカは湾岸戦争で第3世代の早期警戒衛星DSP‐14および15を用いてイラクのスカッド・ミサイルの発射を探知し,データ中継衛星を経由して米本土内で解析,発射地点を6km以内の精度で標定,軌道を計算して予想弾着地点と時刻を計算,射撃データを現地のペトリオット要撃ミサイル部隊に伝送している。…

※「早期警戒衛星」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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