偵察衛星(読み)ていさつえいせい(英語表記)reconnaissance satellite

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

偵察衛星
ていさつえいせい
reconnaissance satellite

軌道上から地球上の軍事目標を偵察する機能をもつ人工衛星。通称スパイ衛星。アメリカの偵察衛星は 1960年に,サモス衛星が最初に打上げられ,ビッグバード,キーホール KH (→KH偵察衛星 ) ,ラクロス (→ラクロス・レーダ偵察衛星 ) などの衛星が実用化されている。ビッグバードは,3~6ヵ月間軌道上にあって,テレビジョン監視を行い,必要に応じて写真撮影を行う。フィルムはカプセルに入れて回収する。軌道の高さは低く,解像力は 1m以内であるといわれる。キーホール衛星はビッグバードが発見した目標をさらに詳しく偵察するために用いられており,ラクロスはレーダ偵察衛星で,その解像力は 1m程度といわれている。ソ連も偵察衛星と推定されるものを1年間 20~30個打上げていた。

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百科事典マイペディアの解説

偵察衛星【ていさつえいせい】

光,電波や赤外線などを使用して宇宙から外国の地表を偵察する軍事衛星査察衛星ともいい,広域用と精密用の2種類がある。米国は1970年代以降ビッグバードと呼ばれる広域写真偵察衛星を運用しているが,これは撮影したフィルムをカプセルで投下し,C130輸送機が空中でキャッチする方式。その映像のなかからさらに詳しい偵察データを収集するのがキーホール11精密偵察衛星で,映像をデジタル信号で地上にリアルタイムで送信でき,高度400kmから地上の15〜30cmの物体を識別できるといわれる。ただし,寿命は2〜4年。ロシアにはコスモス衛星があり,寿命は2ヵ月と短いが,回収して再利用が可能。フランスは1995年にイタリア,スペインと共同開発したエリオス1A写真偵察衛星を打ち上げた。解像力は約1m。またドイツ・フランス両国は1995年にレーダー衛星ホルスの共同開発に合意した。中国も1992年に偵察衛星を打ち上げている。→人工衛星
→関連項目サモス衛星TMD偵察機

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精選版 日本国語大辞典の解説

ていさつ‐えいせい ‥ヱイセイ【偵察衛星】

〘名〙 上空から、写真撮影や電波の傍受などによって敵の様子を探るための衛星。
※汚れた英雄 完結篇(1969)〈大藪春彦〉ホンダの黄金の年「米ソは偵察衛星を打ちあげあう」

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世界大百科事典内の偵察衛星の言及

【軍事衛星】より

…軍事衛星には,次のような種類がある。
[通信衛星]
 戦略・戦術通信のほか,偵察衛星や気象衛星などのデータを中継する目的の衛星。民間の通信衛星とは使用周波数帯が異なり,対妨害性,秘匿機能および高い残存性をもつ。…

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