明らけし(読み)アキラケシ

デジタル大辞泉 「明らけし」の意味・読み・例文・類語

あきら‐け・し【明らけし】

[形ク]
明白である。はっきりしている。
「すでに天のうけざるところ―・し」〈保元・上〉
汚れや濁りがなく、清らかである。
「―・き名に負ふともの緒心努めよ」〈・四四六六〉
賢明である。賢い。
さとり―・し」〈今昔・一五・四九〉

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精選版 日本国語大辞典 「明らけし」の意味・読み・例文・類語

あきら‐け・し【明けし】

  1. 〘 形容詞ク活用 〙
  2. 事柄がはっきりしていて疑う余地がない。明白である。
    1. [初出の実例]「何せむに 吾(わ)を召すらめや 明久(あきらけク) 吾が知ることを 歌人と 吾を召すらめや」(出典万葉集(8C後)一六・三八八六)
    2. 「定業又治するに堪(たへ)ざる旨あきらけし」(出典:平家物語(13C前)三)
  3. けがれ、よごれ、曇り、濁りなどがなくてきれいである。清らかである。
    1. [初出の実例]「清白(アキラケキ)意を以て、神祇に敬奉りて」(出典:日本書紀(720)白雉元年二月(北野本訓))
    2. 「あきらけき鏡にあへば過ぎにしも今ゆく末のことも見えけり」(出典:大鏡(12C前)一)
  4. ( 物事に明るい意 ) かしこくすぐれている。賢明である。
    1. [初出の実例]「かく末の世のあきらけき君として、来し方の御面をもおこし給ふほいのこと」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)

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