明恵上人像

山川 日本史小辞典 改訂新版 「明恵上人像」の解説

明恵上人像
みょうえしょうにんぞう

華厳宗僧明恵房高弁(こうべん)の肖像画松林の中の樹上に坐禅する情景を,のびやかな描線墨色を主とした淡彩で描き表す。高潔な人柄と自然にとけこんだ精神境地まで表現しえた傑作作者は明恵に近侍した恵日房成忍(じょうにん)と推測される。高山寺蔵。紙本着色。縦145.2cm,横58.5cm。国宝

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の明恵上人像の言及

【鎌倉時代美術】より

…1300年(正安2)にくだるが湯木家の《春日宮曼荼羅図》(観舜作)に見る春日社の景は抒情的でさえあり,根津美術館の《那智滝図》はこの傾向の頂点にある作品といえよう。肖像画の世界でも高山寺《明恵(みようえ)上人像》は樹上坐禅像といわれるように山中の樹木の描写が大きく,それがむしろ人間明恵への親近感をいだかせる。明恵自身の描写も似絵風で,決して理想化された形式的なものではない。…

※「明恵上人像」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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