はるさめ‐の【春雨の】
- 枕
- ① 春雨が降る意で、「降る」と同音の「古る」「経る」「振る」や「ふりはふ」「ふるめかし」、また、「古幹(ふるから)」「古里」「古木」「古事」、地名「布留(ふる)」などにかかる。実際に春雨の降っている情景の中で、掛詞を利用して序詞ふうに用いられることも多い。
- [初出の実例]「かげろふのそれかあらぬか春雨のふる日となれば袖ぞぬれぬる〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋四・七三一)
- ② 春雨が降り続く意で、「やむ」や「はれぬ」にかかる。
- [初出の実例]「ふりぬとていたくな佗(わ)びそはるさめのただにやむべき物ならなくに〈紀貫之〉」(出典:後撰和歌集(951‐953頃)春中・八〇)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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