時の調子(読み)トキノチョウシ

デジタル大辞泉 「時の調子」の意味・読み・例文・類語

とき‐の‐ちょうし〔‐テウシ〕【時の調子】

雅楽で、その季節にふさわしい音楽の調子。春は双調、夏は黄鐘おうしき調、秋は平調、冬は盤渉ばんしき調などとされている。

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精選版 日本国語大辞典 「時の調子」の意味・読み・例文・類語

とき【時】 の 調子(ちょうし)

  1. 雅楽で、四季それぞれにふさわしい調子のこと。普通、春は双調、夏は黄鐘(おうしき)調、秋は平調、冬は盤渉(ばんしき)調、四季の土用壱越(いちこつ)調と定められている。近年は必ずしも、時の調子は守られていない。また、能楽では、四季・月・日・時刻など、広く時に適合した調子という意味に拡大されて用いられる。時の音。時の声。
    1. [初出の実例]「琵琶琴上手といふ中にも〈略〉ときの調子のしらべをなしては、彌生の日かずのうちに夏のせちの来たるをわきまへ」(出典:経信母集(11C中か))

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世界大百科事典(旧版)内の時の調子の言及

【雅楽】より

… 調子は季節,月,時刻に応ずるものとされており,春は双調,夏は黄鐘調,秋は平調,冬は盤渉調といった習慣的な結びつきがある。これを〈時の調子〉という。調子はまた一定の情緒や状況とも関連づけられることがあり,たとえば盤渉調は深い哀しみをたたえた調子であるとされ,葬礼などで奏されることが多い。…

※「時の調子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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