デジタル大辞泉
「双調」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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そう‐じょうサウデウ【双調】
- 〘 名詞 〙
- ① 雅楽十二律の音名の一つ。基音である壱越(いちこつ)から六番目の音。トの音に相当。
- [初出の実例]「横笛の五の穴は、聊いぶかしき所の侍るかと、ひそかにこれを存ず〈略〉上の穴双調、次に鳧鐘調をおきて、夕の穴、黄鐘調なり」(出典:徒然草(1331頃)二一九)
- ② 雅楽の六調子の一つ。双調を主音、すなわち宮音とする旋法。
- [初出の実例]「楽は双調にて竹河といふ歌をいとしづやかにあそびて」(出典:延喜十三年亭子院歌合(913))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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双調 (そうぢょう)
日本音楽の用語。(1)十二律の一つ。基音である壱越(いちこつ)の音(洋楽のd,ニ音)から6律目の音で,gの音(ト音)とほぼ同じ高さの音。雅楽でこの音を主音とする調子も双調といい,六調子の一つで呂(りよ)に属するとされる。(2)能の用語。笛(能管)の基調の一つ。各句の終りの音が双調の孔で終わる指使いの曲をさすが,ごくまれに用いられる。
→六調子
執筆者:松本 雍
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の双調の言及
【五声】より
…すなわち,ニ・ホ・ト・イ・ロという音程関係を宮・商・角・徴・羽にあてはめたもので,中国の徴調の五声に相当し,同じ形が後に律の五声と呼んだものにみられる。つまり唐俗楽二十八調中,日本に伝来した調の主音は,壱越(いちこつ)(ニ),平調(ひようぢよう)(ホ),双調(そうぢよう)(ト),黄鐘(おうしき)(イ),盤渉(ばんしき)(ロ)の五つであり,壱越は唐の古律の太簇(たいそう)であるが,俗律の黄鐘(こうしよう)とも考えられたので,日本ではこれを基準音とみなし,これを宮として以下4声を順次並べて徴調の五声音程の新五声(徴・羽・宮・商・角を宮・商・角・徴・羽と呼びかえたもの)を生じた。そののち鎌倉時代の声明家の間でしばしば論争が行われたが,結局,五声を説く場合,雅楽でも声明でも[呂](りよ)は中国理論のままの宮調型五声,[律]は徴調型の五声を述べるのがならわしとなった。…
【六調子】より
…[呂](りよ)),平調(ひようぢよう)([平調]が宮。[律]),双調(そうぢよう)([双調]が宮。呂),黄鐘(おうしき)調([黄鐘]が宮。…
※「双調」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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