出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…五音略譜では〈宮〉の音高が不明なのでまずそれを規定する必要がある。さらに,平調(へいちよう)と界面調の旋法によって,〈宮〉―,―の間の音程が平調では長2度,界面調では短3度と互いに異なるので,その曲の旋法が不明であると,その音程を知ることができないという短所もある。世祖(在位1455‐68)のころ考案され,《世祖実録》《時用郷楽譜》(16世紀初),《大楽後譜》(1759)などに用いられたが,現在は実用されない。…
…すなわち,ニ・ホ・ト・イ・ロという音程関係を宮・商・角・徴・羽にあてはめたもので,中国の徴調の五声に相当し,同じ形が後に律の五声と呼んだものにみられる。つまり唐俗楽二十八調中,日本に伝来した調の主音は,壱越(いちこつ)(ニ),平調(ひようぢよう)(ホ),双調(そうぢよう)(ト),黄鐘(おうしき)(イ),盤渉(ばんしき)(ロ)の五つであり,壱越は唐の古律の太簇(たいそう)であるが,俗律の黄鐘(こうしよう)とも考えられたので,日本ではこれを基準音とみなし,これを宮として以下4声を順次並べて徴調の五声音程の新五声(徴・羽・宮・商・角を宮・商・角・徴・羽と呼びかえたもの)を生じた。そののち鎌倉時代の声明家の間でしばしば論争が行われたが,結局,五声を説く場合,雅楽でも声明でも呂(りよ)は中国理論のままの宮調型五声,律は徴調型の五声を述べるのがならわしとなった。…
※「平調」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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