更紙(読み)ざらがみ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「更紙」の意味・わかりやすい解説

更紙
ざらがみ

機械パルプを主原料とし、これにつなぎとして少量の化学パルプを配合して抄造して得た紙。主として下級印刷紙として使用する。JIS(ジス)(日本産業規格)では「紙・板紙及びパルプ用語」(JIS P0001)の印刷用紙Dにあたり、化学パルプ40%未満配合の非塗工印刷用紙をさす。雑誌の本文謄写(とうしゃ)版印刷などに用いられる。多量の機械パルプを含むため耐久性が乏しいが、不透明性に富み、かさ高でインキ吸収は速い。新聞用紙とほぼ同一の条件で製造されており、品質もそれに近い、とされている。

[御田昭雄]

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改訂新版 世界大百科事典 「更紙」の意味・わかりやすい解説

更紙 (ざらがみ)
groundwood paper

下級印刷用紙の俗称で,印刷用紙Dに分類される。機械パルプを主原料とし,多少の化学パルプを加えて作る。広告ちらしなどの一時的印刷物に用いる。古紙主体にした印刷泉貨紙との区別もはっきりしない。上(じよう)更紙は印刷用紙Cに相当するもので,化学パルプの混入率が高くなり,おもに雑誌の本文,事務用紙,学習用紙に使用されるが,古紙利用が進むにつれ原料組成だけでの紙の等級分けは困難になった。
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世界大百科事典(旧版)内の更紙の言及

【印刷用紙】より

…印刷効果を高めるために白色顔料に結合剤を加えて作った塗工液を塗って表面平滑性を改善したのが塗工紙で,塗工処理をしないのが非塗工紙である。後者は化学パルプの含有量が100%,70%以上,70~40%,40%未満を規準として印刷用紙A,B,C,Dに分類され,Aを上質紙,Bを中質紙,Cを上更紙(じようざらがみ),Dを更紙と呼んでいる。印刷用紙Aは書籍,ポスター,教科書など商業印刷一般に用いられ,印刷用紙Bも書籍,教科書,雑誌などに用いられる。…

※「更紙」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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