曾万布庄(読み)そんぼのしよう

日本歴史地名大系 「曾万布庄」の解説

曾万布庄
そんぼのしよう

福井市の東南部、現曾万布町付近を荘域とする。長寛二年(一一六四)七月日付の越前国曾万布庄百姓等重解(陽明文庫所蔵「兵範記」裏文書)に「御庄建立以来及百余歳之間」とあるのを信じれば、立荘は一一世紀中期頃であろう。右の解は、法成ほうじよう東北とうほく(跡地は現京都市上京区)の仏聖料として伝来した荘の本免田三五町のうち、一七町を勘出田として割取され、さらに三町六反余を利分田として押領されたため、荘民の苦痛が大きく、百姓逃散も起こりかねないので旧に復してほしいとの愁状である。なお、この解の文中、藤原長実の娘で鳥羽天皇妃、美福門院が当庄に新たな公事を課した記事がみえ、美福門院ともなんらかの関係を有していたことが推察される。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android