(読み)ソウ

デジタル大辞泉 「曽」の意味・読み・例文・類語

そう【曽〔曾〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]ソウ(漢) (呉) [訓]かつて すなわち
ソウ
かつて。以前に。「曽遊
世代が重なること。「曽孫そうそん曽祖父そうそふ曽祖母そうそぼ
〈ゾ〉かつて。以前に。「未曽有みぞう
[名のり]なり・ます
難読曽祖父ひいじじ曽祖母ひいばば曽孫ひまご

ひい【曽】

[接頭]ひ(曽)」に同じ。「ばば」「まご」

ひ【曽】

[接頭]血縁関係を示す語に付いて、それよりさらに1代離れた関係にある意を表す。ひい。「じじ」「まご」

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「曽」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

(旧字)曾
人名用漢字 12画

[字音] ソウ
[字訓] こしき・かさねる・かつて・すなわち

[説文解字]
[金文]

[字形] 象形
(こしき)の形で、の初文。(八)は湯気のたちのぼる形。〔説文〕二上に「詞の舒(ゆる)やかなるなり」とし、「すなはち」という承接の語とする。それで字形について「に從ひ、曰(えつ)に從ひ、(さう)聲」と口気の意とする解を試みているが、金文の字形によって明らかであるように、の象形字。釜(ふそう)をいう。ゆえに累層するものの意に用いる。「かつて」「すなはち」など副詞的に用いるのは仮借。

[訓義]
1. こしき、の初文。
2. かさねる、かさなる、たかい。
3. すなわち、かつて、なんぞ。

[古辞書の訓]
名義抄〕曾 ムカシ・カツテ・スナハチ・カサヌ・カサナル・コレ・ソノカミ 〔字鏡集〕曾 モトヨリ・ヘタリ・カサナル・カツテ・ムカシ・スナハチ・ヲモシ・ソノカシ(ミ)・イニシヘ

[声系]
〔説文〕に曾声として(贈)・(層)・(増)など十四字を収める。釜(ふそう)はかさねて蒸す器であるから、つみ重ね、加える意がある。曾声の字に、その声義を承けるものが多い。

[語系]
曾・tzng、dzngは声義近く、には累増の意がある。tzingはzimとともに蒸し器・慘(惨)tsmは副詞としての曾dzngと声近く、みな「すなわち」とよむ。〔詩〕にその用義例がある。

[熟語]
曾陰・曾雲曾加曾崖曾穹曾頰曾経曾山曾思曾祖曾孫・曾・曾遊曾累
[下接語]
已曾・何曾・悉曾・昔曾・未曾

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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