曾根丘陵(読み)そねきゆうりよう

日本歴史地名大系 「曾根丘陵」の解説

曾根丘陵
そねきゆうりよう

境川さかいがわ村のぼうヶ峰から南西に延び、三珠みたま上野うえのに至る丘陵地。総延長約九キロ、甲府盆地の南西に位置し、御坂みさか山地前衛をなす。盆地側は比高四〇―六〇メートルほどの急崖で、芋沢いもざわ川・滝戸たきど川・七覚しつかく川・浅利あさり川などの中小河川が丘陵を分断する。一帯が旧石器時代から古代に至る遺跡の宝庫として知られるが、とくに昭和五四年(一九七九)に発掘調査された上の平うえのだいら遺跡からは一二四基を数える全国有数規模の方形周溝墓群が発見され、甲斐風土記の丘・曾根丘陵公園内に埋設保存されている。付近には県内でも最古級の小平沢こびらさわ古墳銚子塚ちようしづか古墳・大丸山おおまるやま古墳・丸山塚まるやまづか古墳が分布することから、弥生時代から古墳時代初頭にかけて中道町周辺に有力豪族が台頭し、畿内政権と結びついて古代甲斐国成立の基盤となったことがわかる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

世界大百科事典(旧版)内の曾根丘陵の言及

【甲府盆地】より

…これらの山地の山麓には多数の扇状地が作られており,西部の御勅使(みだい)川扇状地や東部の金川扇状地などは模式的なものとして知られる。扇状地の背後には西部には市之瀬台,南部には曾根丘陵など一段高い台地がある。盆地西部には赤石山脈北端の甲斐駒ヶ岳から流れ出て塩川を合流する釜無(かまなし)川,東部は秩父山地の甲武信ヶ岳を源とし,重川,日川,金川,荒川などを合流する笛吹川が流れ,盆地南西部で合わさって富士川となり,峡谷を刻み南流して駿河湾に注ぐ。…

※「曾根丘陵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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