御坂(読み)みさか

精選版 日本国語大辞典 「御坂」の意味・読み・例文・類語

み‐さか【御坂】

〘名〙 (「み」は接頭語) 坂の美称
万葉(8C後)一四・三三七一「足柄の美佐可(ミサカ)(かしこ)み曇夜の吾が下延へを言出(こちで)つるかも」

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デジタル大辞泉 「御坂」の意味・読み・例文・類語

み‐さか【御坂】

坂の美称。
「足柄の―かしこみ曇り夜の下延したばへ言出こちでつるかも」〈・三三七一〉

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「御坂」の意味・わかりやすい解説

御坂
みさか

山梨県中部、東八代郡(ひがしやつしろぐん)にあった旧町名(御坂町(ちょう))。現在は笛吹(ふえふき)市の中央部を占める一地区。1955年(昭和30)錦生(きんせい)、黒駒(くろこま)の2村が合併して町制施行。2004年(平成16)春日居(かすがい)町、石和(いさわ)町、一宮(いちのみや)町、八代(やつしろ)町、境川(さかいがわ)村と合併、市制施行して笛吹市となる。旧町域は、甲府盆地の南東縁御坂山地から流れ出る金川(かねがわ)の扇状地上に広がる。国道20号、137号が通じ、中央自動車道の一宮御坂インターチェンジが近い。律令(りつりょう)期国衙(こくが)に国府(こくふ)が置かれ甲斐(かい)国を統治した古い歴史をもつ。明治以降、養蚕が盛んで畑の多くは桑園であったが、昭和30年代以降はモモ、ブドウの栽培が盛んとなり、耕地の98%が果樹園で果樹農村へと変容している。石和(いさわ)から御坂峠を経て河口湖に至る国道137号は古くは鎌倉往還の要路であったが、いまは沿線に観光ブドウ園が軒を並べている。国指定重要文化財として、美和神社(みわじんじゃ)の木造大物主(おおものぬし)神立像、称願寺(しょうがんじ)の木造他阿上人真教(たあしょうにんしんきょう)坐像、福光園寺(ふくこうおんじ)の木造吉祥天(きっしょうてん)および二天像がある。ゴルフ場、スキー場などもある。

[横田忠夫]

『『御坂町誌』(1971・御坂町)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御坂」の意味・わかりやすい解説

御坂
みさか

山梨県中部,笛吹市南東部の旧町域。甲府盆地の南東部に位置し,笛吹川の支流金川左岸の扇状地と上流域一帯を占める。 1955年錦生村,黒駒村が合体して町制。 1958年花鳥村の一部を編入。 2004年石和町,一宮町,八代町,境川村,春日居町と合体して笛吹市となった。第2次世界大戦前は県内屈指の養蚕地帯であったが,現在ではモモ,ブドウなどの果樹栽培が行なわれる。富士五湖石和温泉を結ぶ国道 137号線が通り,沿道に多数の観光ブドウ園がある。南境の御坂峠は旧鎌倉往還の難所であったが,トンネルが開通。黒駒は奈良時代には名馬の産地として知られた。

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改訂新版 世界大百科事典 「御坂」の意味・わかりやすい解説

御坂(旧町) (みさか)

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