曾江谷越(読み)そえだにごえ

日本歴史地名大系 「曾江谷越」の解説

曾江谷越
そえだにごえ

脇町西俣名清水にしまたみようしみず地区と香川県木田きだ三木みき奥山堂おくやまどうだいら地区との県境付近にある峠。清水越・清水峠ともよばれる。標高約二八五メートル。峠道となる国道一九三号に沿って曾江谷川(河川延長二二キロ、流域面積七七平方キロ)が流れる。同川は香川県大川おおかわ長尾ながお町南部の矢筈やはず山付近を源流とし、讃岐山脈の横谷を穿行して深い谷をつくる。徳島県側は急傾斜地となっているが、峠付近は平坦地で郵便局・小学校・駐在所・温泉センターなどが集まっている。曾江谷川の上流域は古くは曾江山とよばれた。讃岐山脈山麓の洪積層粘土を産することから、「そえ」は「すえ」の変化したもので、地名須恵器の生産地にちなむとする説がある(美馬郡郷土誌)。讃岐山脈南麓に発達する吉野川北岸の河岸段丘上には旧石器時代や縄文時代の遺跡が多数分布し、それらの遺跡から香川県坂出市金山かなやま産のサヌカイトが出土する。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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