日本歴史地名大系 「最上仙北通」の解説 最上仙北通もがみせんぽくどおり 宮城県:玉造郡鳴子町鬼首村最上仙北通中山(なかやま)越出羽道から分岐して北上、鬼首(おにこうべ)峠越で出羽国雄勝(おがち)郡へ入る道で、ほぼ現在の国道一〇八号(仙秋サンライン)にあたる。中山越出羽道からの分岐点は、大口(おおくち)村鍛冶谷沢(かじやさわ)宿と同宿の西方鳴子村末沢(すえざわ)の二ヵ所があり、二つの道は荒雄(あらお)岳南麓の鬼首村蟹沢(かにさわ)で合流、江合(えあい)川沿いに北上する。途中鬼首村八幡原(はちまんばら)で西方花立(はなたて)峠越で出羽国最上郡黒沢(くろさわ)村(現山形県最上郡最上町)へ至る道を分岐、同所には鬼首番所が置かれたが、街道に宿はなかった。古くから陸奥―出羽を結ぶ主要ルートの一つで、近世は秋田藩領と仙台藩領を結ぶ最短路となった。羽後街道ともよばれ、また中山越出羽道からの分岐点付近を除き鬼首村内を通り、「鬼首海道」とも称された(鳴子村安永風土記)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報 Sponserd by