最低資本金制度(読み)さいていしほんきんせいど

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「最低資本金制度」の意味・わかりやすい解説

最低資本金制度
さいていしほんきんせいど

会社の設立に際して必要な資本金の最低額を設けた制度。2005年廃止。会社の債権者保護の観点から会社はその事業に見合った資本を要する。1990年改正商法は物的会社である株式会社について初めて最低資本金制度を導入し 1000万円を(2005年改正前商法168条ノ4),有限会社についてはそれまでの 10万円から引き上げて 300万円を(有限会社法9〈2005廃止〉),それぞれ一律の最低資本金とした。1991年4月1日の改正法施行から猶予期間内にその最低資本金に達しない既存会社は,ほかの会社形態へ組織変更するか解散することになった(1990年商法改正附則5,6,同有限会社法改正附則18,19)。しかし起業の妨げになるとの理由などから,2005年成立の会社法は本制度を廃止した。他方で,会社の純資産額が 300万円を下回る場合には,会社は株主に対して配当をすることなどができない(会社法458)。

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「最低資本金制度」の解説

最低資本金制度

株式会社を設立するには1000万円、有限会社を設立するには300万円の資本金を用意することを求めた制度。もとは会社の債権者の権利を保護するために制定されたもので、株主等への最低限責任として用意させたのが最低資本金にあたる。しかし、会社法の変更により、株式会社制度と有限会社制度が統合、これまでの最低資本金制度は廃止され、資本金1円から会社設立登記ができるようになった。これによりいわゆる「起業」がより容易となり、意欲的な若い事業者や既存の枠にとらわれない新しい事業の創成を促進している側面もある。

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