有体動産に対する執行(読み)ゆうたいどうさんにたいするしっこう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「有体動産に対する執行」の意味・わかりやすい解説

有体動産に対する執行
ゆうたいどうさんにたいするしっこう

金銭の支払いを目的とする債権についての強制執行一種であって,有体動産を対象とするもの。民事執行法上,有体動産というのは,民法上の動産 (土地およびその定着物以外の物) のほか登記することができない土地の定着物,土地から分離する前の天然果実で1ヵ月以内に収穫することが確実であるものおよび裏書の禁止されている有価証券以外の有価証券を包含する。有体動産に対する執行実施機関は執行官であり,差押えをもって執行を開始する (民事執行法 122~124条) 。差押え後,目的有体動産を金銭化するためには,執行官は,入札または競り売りのほか,最高裁判所規則で定める方法で売却する (134条) 。執行官が売得金を得たときは,執行費用を控除した残金を執行債権者に交付する。ただし,複数の債権者がありその債権を満足させられず,しかも配当に関する協議ができない場合には,その配当手続は執行裁判所がこれを行う (139~142条) 。

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