有効熱伝導率(読み)ユウコウネツデンドウリツ

化学辞典 第2版 「有効熱伝導率」の解説

有効熱伝導率(充填層の)
ユウコウネツデンドウリツ
effective thermal conductivity

化学装置,主として充填層内の伝熱特性を表す因子の一つ.取り扱い上,充填層内を均一の相とみなして,熱伝導率と同じ次元をもつ一つの係数で表すと便利なことが多い.この見掛けの熱伝導率を有効熱伝導率とよんでいる.充填層内の伝熱現象の取り扱い方は,充填粒子と流体間の伝熱係数

hp kJ m-2 h-1 deg-1
充填層内の有効熱伝導率

ke kJ m-1 h-1 deg-1
管壁における見掛けの伝熱係数にもとづく複合伝熱係数

h0 kJ m-2 h-1 deg-1
の三つによるが,そのうちの一つである.この有効熱伝導率は,流体および充填物の熱伝導率および熱放射,充填物の径および形状,空げき率,流速,温度,圧力などにより変化する.単位時間当たりの熱移動量Qは,熱の移動方向(y方向)と垂直な断面積Ay方向の温度勾配dT/dyおよび有効熱伝導率 ke の積として,

で表される.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

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