デジタル大辞泉
「有財餓鬼」の意味・読み・例文・類語
うざい‐がき【有財餓鬼】
1 飢えに苦しむ餓鬼の中で、物を食することのできる餓鬼。膿・血などを食う小財餓鬼と、人の食い残しや、祭祀などで捨てられた物を食う多財餓鬼とをいう。⇔無財餓鬼。
2 財産を多く持ちながら、欲深い人。守銭奴。
「銀持ちながら一生遊山嫌ひの―」〈浮・子息気質・三〉
3 人をののしっていう語。がき。
「最前手並は見せ置いたに、性懲りもなき―」〈浄・蘆屋道満〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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うざい‐がき【有財餓鬼】
- 〘 名詞 〙
- ① 仏語。常に飢渇に苦しむという餓鬼の中で、物を食することのできる餓鬼。膿血などを食する小財餓鬼と、食べ残しや祭饗(さいきょう)の余りを食する多財餓鬼とがあるとされる。源信「三界義」に説く。
- [初出の実例]「無い物を有る有ると思ふて喰ふは、有財我鬼では無いか」(出典:虎寛本狂言・宗論(室町末‐近世初))
- ② ( 金銭も空であるのに、これを有と執することを有財とする仏説による。一説に金銭を所有すること ) 金銭を多く貯えていながら、なお餓鬼のような欲深さで物を貯える人。貪欲な人。守銭奴。
- [初出の実例]「銭有て用ひざらんは有財餓鬼となつく」(出典:慶長見聞集(1614)九)
- ③ 人をののしっていう語。餓鬼。
- [初出の実例]「しやうこりもなきうざいがき」(出典:浄瑠璃・蘆屋道満大内鑑(1734)二)
うんざい‐がき【有財餓鬼】
- 〘 名詞 〙 「うざいがき(有財餓鬼)」の変化した語。
- [初出の実例]「ヤア極悪人の左衛門が、その手下のうんざい餓鬼」(出典:歌舞伎・法懸松成田利剣(1823)四立)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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