朝日日本歴史人物事典 「有馬氏倫」の解説
有馬氏倫
生年:寛文8(1668)
江戸前・中期の幕臣,大名。通称は四郎右衛門。紀州(和歌山)藩士清兵衛義景の子。5代藩主徳川吉宗に仕え,御用役兼番頭となる。享保1(1716)年主君吉宗の将軍家相続に伴って幕臣となり,新設の御側御用取次に就任し,伊勢国の内で1300石を与えられ,従五位下兵庫頭に叙任。翌2年下野国(栃木県)で1000石,11年には伊勢,下野,上総(千葉県)国で7700石を加増され,1万石の大名に取り立てられた。同僚の加納久通と共に,享保の改革政治に吉宗側近として参画し,大きな役割を果たした。『徳川実紀』には,「さえかしこく,かどかどしき」性格と記載され,切れ者であったことがうかがえる。
(深井雅海)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報