朗然(読み)ろうぜん

精選版 日本国語大辞典 「朗然」の意味・読み・例文・類語

ろう‐ぜんラウ‥【朗然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用ナリ・タリ 〙
  2. 明るくかげりのないさま。くもりなくはっきりとしているさま。また、よく見とおせるさま。ろうねん。
    1. [初出の実例]「〔ホ〕なる硝子管に曇りを生じ水線の朗然(ロウゼン)ならざる時蒸気及水をして管内を掃除するに用ゆ」(出典:舶用機械学独案内(1881)〈馬場新八・<著者>吉田貞一〉前)
    2. [その他の文献]〔晉書‐衛玠伝〕
  3. ほがらかなさま。また、声が高くよくとおるさま。朗々。
    1. [初出の実例]「始終何かに微笑を送ってゐるやうな朗然(ラウゼン)とした眼で頷いたのである」(出典:西郷隆盛(1918)〈芥川龍之介〉)

ろう‐ねんラウ‥【朗然】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用ナリ・タリ 〙 明るくかげりのないさま。くもりなくはっきりとしているさま。また、よくみとおせるさま。ろうぜん。
    1. [初出の実例]「能仁無垢、法雨西灑、〈略〉三際以之朗然」(出典:性霊集‐五(835頃)請越州節度使内外文書啓)
    2. 「夜の二更に至りて灵像光明を放ちて天地朗然たり」(出典:三国伝記(1407‐46頃か)一二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「朗然」の読み・字形・画数・意味

【朗然】ろう(らう)ぜん

明るいさま。〔隋書、天文志上〕んなる時、重雲(ちよううん)之れをりて、體を見ずと雖も、夕に(な)ほ然たり。是れ雲中よりして外を照らせばなり。

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