雲中(読み)うんちゅう(英語表記)Yún zhōng

精選版 日本国語大辞典 「雲中」の意味・読み・例文・類語

うん‐ちゅう【雲中】

[1] 〘名〙 (「うんぢゅう」とも) 雲の中。
経国集(827)一四・秋雲篇示同舎郎〈滋野善永〉「澗幽深兮此閑雲。雲中静兮逸人居」
太平記(14C後)一二「鵼(ぬえ)と云ふ鳥の雲中に翔(かけっ)て鳴しをば」
[2] 中国山西省大同のこと。戦国時代に秦の郡、唐代には都護府が置かれた。

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改訂新版 世界大百科事典 「雲中」の意味・わかりやすい解説

雲中 (うんちゅう)
Yún zhōng

中国,山西省大同市地方の古名。古来北方遊牧民族に対する拠点であった。唐代ここを雲中県と称し,雲州あるいは雲中郡の行政中心としたのが始まりで,遼代には大同県がおかれ,これを中心とした行政区域を大同府というようになった。古く雲中というのは,戦国時代の趙国の西部をさし,陰山山脈南方の広い地域であった。秦・漢時代にはその南西部を雲中郡とし,行政中心を雲中県においたが,それは今の内モンゴル自治区のトグト(托克托)県に当てられている。
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世界大百科事典(旧版)内の雲中の言及

【大同】より

…歴史的都市でもあり,古来,北方の遊牧民族に対する防衛拠点で,軍事上の要地として知られていた。秦代平城県がおかれ,北魏の国都となったのち,唐代雲中県となり,雲州の州治があった。遼代大同県を分置,大同府の府治となり,西京がおかれた。…

※「雲中」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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