木曽節(読み)キソブシ

デジタル大辞泉 「木曽節」の意味・読み・例文・類語

きそ‐ぶし【木曽節】

長野県木曽地方の民謡。古くは「御嶽山おんたけさん節」とよばれたが、大正年間、盆踊り歌として全国に広まった。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

日本大百科全書(ニッポニカ) 「木曽節」の意味・わかりやすい解説

木曽節
きそぶし

長野県木曽郡木曽町を中心とする木曽谷の民謡。同地方で盆踊り唄として歌われてきたもので、その源流は、木曽川の支流王滝川から本流まで、材木を川流しで運び出す川狩り人足が、鳶口(とびぐち)で材木を移動させるおりに歌っていた「木遣唄(きやりうた)」らしく、「ヨイヨイヨイノ ヨイヨイヨイ」はそのときの囃子詞(はやしことば)の名残(なごり)であろう。それがのちに酒席酒盛り唄『仲乗りさん』になった。ところが1915年(大正4)11月、福島町町長に就任した伊藤淳は、町の観光資源として盆踊りを行うことにし、旧来からある『中津川甚句(じんく)』の踊りの振を取り入れ、それに先の『仲乗りさん』を用い、曲名も『木曽節』と改名。町長自ら「相許し候事の木曽踊」なる免状を観光客に発行することで有名にした。なお「仲乗りさん」とは王滝川の川狩り人足をさすらしく、木曽川の筏(いかだ)乗りには「仲乗り」は存在しない。

竹内 勉]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android