免状(読み)メンジョウ

デジタル大辞泉 「免状」の意味・読み・例文・類語

めん‐じょう〔‐ジヤウ〕【免状】

免許の証として授与する文書免許状。「教員免状」「渡航免状
卒業証書のこと。「総代免状をもらう」
江戸時代、その年の上納すべき年貢高を記して、領主から村方へ交付した文書。年貢割付状
赦免状のこと。
一通太政入道の―なり」〈盛衰記・九〉
[類語](1免許状免許証

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精選版 日本国語大辞典 「免状」の意味・読み・例文・類語

めん‐じょう‥ジャウ【免状】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 赦免の旨をしるした文書。赦免状。
    1. [初出の実例]「一通は太政入道の免状(メンジャウ)也」(出典:源平盛衰記(14C前)九)
  3. 朝廷幕府荘園領主などが年貢課役を免除することを認めた文書。免除状。免除帳。
    1. [初出の実例]「就中帯両所之免状之由、雖訴訟申」(出典:高野山文書‐応永一九年(1412)一二月一九日・三所十聴衆評定事書案)
  4. 江戸時代、その年の納租額を明細に記して、領主から村方へ交付する文書。
    1. [初出の実例]「代官巡行して見たる通りを其領主に告て、領主より其年の免を定て、文書を民に下して租を徴す、是を免状といふ」(出典:経済録(1729)五)
  5. めんきょじょう(免許状)
    1. [初出の実例]「降参の諸将に対面座し即座にて本領安堵の免状を給はる」(出典:松隣夜話(1647頃)上)
  6. めんきょじょう(免許状)
    1. [初出の実例]「小学私塾は小学教科の免状あるもの私宅に於て教るを称すべし」(出典:太政官第二一四号‐明治五年(1872)八月二日(法令全書))
    2. 「文部省の検定試験を受けて、歴史科中等教員の免状を貰ふた」(出典:葬列(1906)〈石川啄木〉)
  7. 学校の卒業証書の俗称。
    1. [初出の実例]「俊、鶴ちゃんの免状は何処にあったっけねえ」(出典:家(1910‐11)〈島崎藤村〉上)

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百科事典マイペディア 「免状」の意味・わかりやすい解説

免状【めんじょう】

年貢割付

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典(旧版)内の免状の言及

【年貢割付状】より

…江戸時代,幕領であれば代官,藩領であれば郡奉行(こおりぶぎよう)など出先の農政役人が定めたその年の年貢高を,村に通達する文書。御成箇割付(おなりかわりつけ),可納割付(かのうわつぷ),免状,下札(さげふだ)ともいう。幕領代官所には年貢割付あるいは下帳・元帳という台帳が作成される例があり,成箇郷帳(なりかごうちよう)(取箇郷帳),年貢皆済目録(ねんぐかいさいもくろく)とともに地方(じかた)三帳と称し,農村支配のための基本的な年貢徴収の帳簿であった。…

【免】より

…江戸時代の貢租率ないしは貢租額の意。〈免相(合)(めんあい)〉ともいう。納租額を記して領主から村方に交付する文書を〈免定(状)(めんじよう)〉と呼び,また各百姓への割付けを〈免割(めんわり)〉と称した。《田法雑話》には〈田畠の高壱石に付て取米何程と云あたりを免と云〉とあり,《地方凡例録(じかたはんれいろく)》も〈仮令ば下田高弐百石,免三つにて此取米六拾石〉としている。この免を基礎に,ならし免,土免(つちめん),定免(じようめん),段免などの用語も生まれた。…

※「免状」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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