日本歴史地名大系 「木曾材木役所」の解説
木曾材木役所
きそざいもくやくしよ
[現在地名]上松町大字上松 陣町
明治九年(一八七六)の「駒ヶ根村誌」に「本村を距る北の方十一町、旧領主尾張徳川氏、字原畑は木曾山林中央にして、諸山を一目し便利なるを以て、元文二丁巳年に材木役所を営立し、領内信美両国山林の締とし、藩士屡々交務す。明治四年是を廃消し、方今耕地となり、傍に民家連軒立築して陣町と唱す。反別四反二十一歩」とあり、尾張藩が木曾の山林を管理するために設けられた役所で、上松材木役所とよんでいた。
元和元年(一六一五)木曾が尾張藩領となって以来、寛文五年(一六六五)の林政改革までは山村氏が山方及び村方の管理支配を委任されていたが、寛文四年の谷中巡見によって山林荒廃の実情が藩当局に確認された結果、翌年上松に藩の材木役所を設置し、その後、木曾の山林は藩の直轄することとなった。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報