木村曙(読み)きむら・あけぼの

朝日日本歴史人物事典 「木村曙」の解説

木村曙

没年:明治23.10.19(1890)
生年:明治5.3.3(1872.4.10)
明治時代小説家。神戸生まれ。別姓岡本,本名栄子。父は実業家木村荘平。東京高等女学校(お茶の水女子大付属高)時代,フランス語,音楽,手芸をよくする活発な女学生生活を送るが,卒業後,父に海外留学を拒否され,法科学生との交際も断たれ,迎えた養子との結婚も破綻した。家業牛肉店「いろは」支店(浅草)の帳場で小説を執筆貧民と女性の救済の理想を実現する工場経営者の少女をヒロインとした「婦女の鑑」を満16歳で『読売新聞』(1889年1月3日~2月28日)に連載。ほかに『操くらべ』『わか松』があるが,18歳の若さで没した。

(北田幸恵)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「木村曙」の解説

木村曙 きむら-あけぼの

1872-1890 明治時代の小説家。
明治5年3月3日生まれ。木村荘平の娘。結婚,離婚のあと父の経営する東京浅草の牛肉店「いろは」の帳場で小説を執筆。明治22年「読売新聞」に進歩的な女性を主人公にした「婦女の鑑(かがみ)」を連載する。明治23年10月19日流行性感冒で死去。19歳。兵庫県出身。東京高女卒。本名は栄子。別姓に岡本。

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