木間星箱根鹿笛(読み)このまのほしはこねのしかぶえ

精選版 日本国語大辞典 「木間星箱根鹿笛」の意味・読み・例文・類語

このまのほしはこねのしかぶえ【木間星箱根鹿笛】

  1. 歌舞伎脚本。世話物。四幕。河竹黙阿彌作。明治一三年(一八八〇東京新富座初演。士族岩淵九郎兵衛は、ともに駆け落ちしたおさよを貧苦のあまり女郎に売ったあと、旅芸者のおきつになじむが、たまたま会ったおさよに恨みごとを言われて彼女を殺してしまう。のち、神経病にかかっておさよの亡霊に悩まされ、おきつをはじめ多くの人を殺す。「神経病の二番目」と呼ばれた散切物。おさよ九郎兵衛。おさよの怪談

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「木間星箱根鹿笛」の解説

木間星箱根鹿笛
このまのほし はこねのしかぶえ

歌舞伎・浄瑠璃外題
作者
河竹新七(2代)
初演
明治13.11(東京・新富座)

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世界大百科事典(旧版)内の木間星箱根鹿笛の言及

【怪談】より

…また夏狂言との関連で本水(ほんみず)や宙乗りもしばしば用いられる。明治期になって世相の変転が怪談物をふるわなくさせたが,《木間星箱根鹿笛(このまのほしはこねのしかぶえ)》(河竹黙阿弥作,1880年11月新富座)は従来の怪談物と趣向を変え,おさよの亡霊は岩淵九郎兵衛の神経病との解釈で,ガス光線を用いた新手法の亡霊を見せ,評判となった。また昭和に入っては宇野信夫作《巷談宵宮雨(こうだんよみやのあめ)》(1935年9月,6世菊五郎主演)などが好評を博した。…

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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」