朴木金山跡(読み)ほおのききんざんあと

日本歴史地名大系 「朴木金山跡」の解説

朴木金山跡
ほおのききんざんあと

[現在地名]紫波町佐比内 砥ヶ崎

佐比内さひないの南東部、さきの佐比内川上流の山中に位置。朴木山金山・朴木沢金山ともよばれ、朴・厚朴と記す場合もあった。一帯には数ヵ所の金山があり、有数の産金地帯であった。厚朴金山覚書状(石杜文書)によると、丹波弥十郎が大判六千五〇〇枚の運上金で請負い、元和八年(一六二二)より大規模な採掘が開始されたという。丹波弥十郎は京都の出身で、佐渡金山の採掘にも当たり、相川あいかわ(現新潟県佐渡郡相川町)弥十郎やじゆうろう町の名が残るほどの有力な山師であった(鉱山の歴史)。なお弥十郎が請負った大判六千五〇〇枚について、万治元年(一六五八)の北村家金山証文(北村文書)には「朴御金山六千枚平、丹羽弥十郎台所間符一口」とあり、また安永六年(一七七七)の佐比内村絵図(北村家蔵)には、朴木沢を登った地点を「六千枚ケ平」と記し、「古丹波弥十郎ト申大判六千枚ニテ金山御運上候由」と注記があることから、実際の運上高は大判六千枚と推定されている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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