杉本城跡(読み)すぎもとじようあと

日本歴史地名大系 「杉本城跡」の解説

杉本城跡
すぎもとじようあと

[現在地名]鎌倉市二階堂

鶴岡八幡宮の東方約一・五キロ、中腹に天台宗杉本すぎもと寺のある大倉おおくら山を中心に熊野山・稲荷山一帯にあった山城。平安末期に三浦大介義明の長男杉本太郎義宗が築城したと伝えるが定かではない。「鶴岡社務記録」建武四年(一三三七)一二月二三日条に北畠顕家が鎌倉に打入り、二五日条に「杉本城落城」と載せる。この合戦の様子を「太平記」では、延元二年(一三三七)北畠顕家が北条時行・新田義興らと鎌倉を攻めた際、斯波三郎家長はこの城に拠って武蔵から朝比奈あさひな切通を越えて鎌倉へ攻込んできた北畠軍を防いだが、わずか一日で落城し、守将斯波家長をはじめとして三〇〇余人が討死したという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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