大倉山(読み)おおくらやま

日本歴史地名大系 「大倉山」の解説

大倉山
おおくらやま

日南町南東部にある独立峰で、標高一一一二メートル。地質中生代に貫入した花崗閃緑岩が広く分布し、植生雑木などの混交林が主で、植林も行われている。北東の花見はなみ(一一八八メートル)の南西麓を水源とする石見いわみ川は、当山の東麓から南麓・西麓を還流して生山しようやまで日野川に合流する。「日野郡史」は、「出雲国風土記」にみえる布自枳美ふじきみ(現在の島根県松江市の嵩山)暑垣あつがき(現在の同県安来市の車山)に続く烽の所在地を当山に比定している。


大倉山
おおくらやま

札幌市街の西、中央区と西区境界にあり、標高三〇七メートル。新第三紀鮮新世の三角山溶岩(輝石安山岩)からなり、北に三角さんかく(三一一・一メートル)がある。山名は昭和六年(一九三一)東斜面に完成した六〇メートル級の大倉シャンツェにちなむ。同シャンツェは北海道のスキー発展に尽力したノルウェーのヘルセット中尉が設計し、大倉喜七郎男爵の資金援助により建設された。同四七年の札幌オリンピック冬季大会開催のため、昭和四五年頃に九〇メートル級ジャンプ台に改造、大倉山ジャンプ競技場とよびかえた。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

改訂新版 世界大百科事典 「大倉山」の意味・わかりやすい解説

大倉山 (おおくらやま)

北海道札幌市の西区と中央区の境にある小丘。後志(しりべし)火山群に属する古いメーサの一つで,標高307m。1931年この丘に大倉喜八郎が資金援助してスキーのジャンプ台(旧大倉シャンツェ)が建設され,その後幾度かの改修が行われて62年に90m級になった。70年に本格的な国際的ジャンプ台(通称大倉シャンツェ)が完成し,72年の冬季オリンピック札幌大会の主会場となった。世界有数のシャンツェで,国内で常時使われているジャンプ台としては唯一の90m級である。付近には新井山スキー場,宮の森スキー場,三角山北東斜面シルバースロープなどもある。
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