村山六ヵ村堰(読み)むらやまろつかむらせぎ

日本歴史地名大系 「村山六ヵ村堰」の解説

村山六ヵ村堰
むらやまろつかむらせぎ

須玉すたま川の上流川俣かわまた川東沢吐竜どりゆうの滝下で取水尾根を迂回して西沢の水を合せ一六キロ余を南下、この間原長沢はらながさわ東井出ひがしいでと、村山北割むらやまきたわりつつみ・村山西割・村山東割・蔵原くらばら小池こいけの旧六ヵ村を灌漑し、須玉町若神子わかみこ地内でかぶと川に合流する。堰の開削について「村山六ヵ村堰由来」(年次未詳、明治年間か)は「壬生忠岑甲斐国目代タリシトキ」と伝え、また享禄二年(一五二九)東沢の水を一夜のうちに西沢に回したと伝えるが、いずれも確証はない。元禄一六年(一七〇三)六月、村山西割村・村山東割村・堤村・蔵原村名主長百姓が代官所へ提出した村山井堰御普請人足口書(村山西割区有文書)によれば、堰の御普請人足の扶持方一人につき米五合宛支給されているいわれを下問されたのに対し、「何年以前に堰筋渡り申哉年数申伝えも覚え申者無御座候(中略)五拾年以前平岡勘三郎様御代官所之節先規之様子御詮儀被遊、御手代衆被遣御ママ論被仰付右人足六ケ村より出申候而御普請仕り壱人ニ付五合ヅツ御扶持方申請ケ候」と答えている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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