朝日日本歴史人物事典 「村野盛政」の解説
村野盛政
生年:明和1(1764)
江戸後期の茶業改良家。剣術家,俳諧師としても活躍。通称弥七。武蔵国入間郡坊村(東京都瑞穂町)の生まれ。家伝によると,寛政年間(1789~1801)に茶業に着手し,近郷の吉川温恭と共に室町時代の記録にみえる「武蔵河越茶」を復興した。製茶法を改良し,文化10(1813)年には「宇治信楽の風味にも劣らず」と評されたという。江戸の茶商山本嘉兵衛らからも,吉川家の製品とともに「狭山土産之宇治製茶」と高い評価を得,横浜開港以後の狭山茶発展の基礎を築いた。<参考文献>埼玉県茶業協会『狭山茶業史』
(重田正夫)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報