大学事典 「東京大学大学院」の解説
東京大学大学院
とうきょうだいがくだいがくいん
Graduate School, The University of Tokyo
日本で最初の大学である東京大学の創設(1877年)から間もない1880年(明治13)に,法・理・文の3学部に学士研究院(大学院の前身)が設置される。1886年に帝国大学に改組されると同時に,法・医・工・文・理の五つの分科大学および大学院が設置され,1888年に初めて博士の学位を授与した。1918年(大正7)の大学令公布,翌年の帝国大学令全文改正に合わせて各分科大学は学部に移行し,大学院は学部に置かれた研究科の間の連絡協調組織となった。第2次世界大戦後,新制大学への移行にともない,1953年(昭和28)より現行の修士課程2年,博士課程3年の課程制大学院が発足する。当時は人文科学,社会科学,数物系,化学系,生物系の五つの研究科からなり,大学院は学部と一体ではない独自の組織として構想されたという。その後,いくつかの研究科の改組,新増設を経て,2016年度現在は13研究科,1学府,1教育部を擁し,修士課程に約7000名,博士課程に約6000名,専門職学位課程に約900名の学生が在籍する。同大学の学部学生数約1万4000名とほぼ同数であり,現在の東京大学は大学院に重点を置いた大学といえる。
著者: 濱中義隆
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報