日本歴史地名大系 「東前寺」の解説 東前寺とうぜんじ 長崎県:東彼杵郡波佐見町下波佐見村東前寺[現在地名]波佐見町岳辺田郷波佐見川左岸の平瀬(ひらせ)にある。亀井山薬師院と号し、高野山真言宗。本尊は薬師如来。和銅年間(七〇八―七一五)行基が開創、自ら刻んだ薬師如来像を安置するために金谷(かなや)に堂宇を建立、金谷山東前寺としたと伝える。のち一二坊を擁したともいう。天正二年(一五七四)大村純忠の代にキリシタンに焼かれて廃絶したが、慶長一〇年(一六〇五)大村藩初代藩主大村喜前が郷士に命じて再興させた。寛永六年(一六二九)金谷より平瀬に移り(同四年とも)、寺領一四石を大村藩から寄進されたという(大村郷村記)。 出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報